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湿疹の予防

  • 執筆者の写真: m310712
    m310712
  • 2015年1月27日
  • 読了時間: 2分

保湿剤を定期的に、特に乾燥する季節に、使用すると湿疹の予防になることは私をはじめ多くの皮膚科医が経験的に考え、患者さんに奨めてきたことでした。そしてついに2014年、日本とイギリスのグループから、生後すぐから毎日保湿剤を塗るとアトピー性皮膚炎になるリスクが下がる、という画期的な論文が報告されました。大人ももちろんですが、乳児期は特に湿疹ができやすい時期ですので、保湿剤を使ってしっかり予防していくことが大切です。

これら2つの論文の紹介をしていきます。

Horimukai K et al. Application of moisturizer to neonates prevents development of atopic dermatitis. J Allergy Clin Immunol 2014

Simpson EL et al. Emollient enhancement of the skin barrier from birth offers effective atopic dermatitis prevention. J Allergy Clin Immunol 2014

両親にアレルギー(喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎)があると子供がアトピー性皮膚炎になるリスクは大きく上がることが知られています。そこで、これらの論文では両親にアレルギーがありリスクの高い子どもを集めて、生後すぐから毎日保湿剤を塗ったところ、塗らなかった子どもに対してアトピー性皮膚炎を発症するリスクが生後8ヶ月の時点で32%も(イギリスのものでは50%)も下がったとされています。

また、子どもの頃からアトピー性皮膚炎があるとダメージを受けた皮膚からアレルゲンが入ってしまい、喘息、アレルギー性鼻炎、食物アレルギーといったほかのアレルギーの病気にもなりやすくなってしまいます。この日本からの論文では、保湿剤を塗りアトピー性皮膚炎が発症しなければ、これらのほかのアレルギーの予防になることも示唆されています。

つまり、保湿剤を毎日生後まもなくから塗ることで、アトピー性皮膚炎を抑えられるだけでなく、ほかのアレルギーにもなりにくくなる可能性が大きいということです。

さて、保湿剤が湿疹の予防に効果的なのはおわかりいただけたかと思いますが、毎日塗り続けるのは難しい、どのように塗ればいいのかわからない、どの製品を選べばいいのかわからない、という声もよく聞きます。こちらを次回から説明していきます。


 
 
 

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