保湿剤の選び方(Cream、市販薬編)
- m310712
- 2015年1月31日
- 読了時間: 3分
市販のクリームには非常に多くの種類があるため、選ぶのが難しいです。まず、どのような製品が売れているのか、Amazon.co.jpのボディクリームの一覧を見てみると、
馬油(ロッシモイストエイド、ソンバーユ、JB馬油)
Vaseline(ヴァセリン)並行輸入品
Neutrogena(ニュートロジーナ)ノルウェーフォーミュラ ボディエマルジョン
尿素10%クリーム
が売れているようです。
馬油がこんなに売れているとは私自身知りませんでした…こちら は使用経験がありません。
Vaselineはボディクリームに分類されていますが、実際は以前に説明した通り、軟膏の保湿剤です。アメリカのベストセラーの製品でかぶれが少なく保湿力が高いため「最強の保湿剤」とも言われますが、ベトつくが難点です。
Neutrogenaもアメリカの薬局でよく販売されている商品で、保湿力が高いですし、お勧めです。
尿素クリームは成分は処方薬のケラチナミンと同じですし、556円/100g(2015年1月現在)と値段も安いので、安心して使えます。
クリームの中にはVaseline(ワセリン)と違い様々な成分が含まれていますので、かぶれのリスクが高くなると言われています。ただし、私の経験では保湿剤のみを塗っていてかぶれになった患者さんを診察したことはないですので、リスクはかなり低いと思って頂いてかまいません。注意しなければいけないのは、植物の成分が配合されている商品です。最近の保湿剤ではオーガニック(Organic)やナチュラル(Natural)との表記で植物成分が含まれているものも多いですが、特に湿疹、アトピー性皮膚炎がある方はかぶれやすいですので注意してください。私も以前にSPAの植物オイルで全身がかぶれてしまい、ひどい目にあったことがあります。
さて、今度はAmazon.comでアメリカの売れ筋製品を見ていくと、ココナッツ、アーモンド、アボカド、Herbalなどと書かれたNatural、Organicを唱った製品が多いですが、湿疹ができやすい方の保湿にはかぶれのリスクからオススメできません。その他の製品を見ていくと、
CeraVe
Cetaphil
Nivea
Eucerin
といったよく知られたブランドから出ている商品が多いです。これらのブランドのものはどれも皮膚科でよく勧められているものです(アメリカでは保湿剤を処方せず、市販薬を勧めます)。それぞれのブランドの中でサラサラ度や保湿力、成分などで様々な製品が出ていますので、自分にあったものを探せばよいでしょう。日本でもこれらのブランドのラインナップのうち、いくつかは販売されていますので、いい商品と言えます。ただ、値段が輸入のためにやや高めに設定されているのはマイナス点です。
この中でも様々な製品がありますので、一つ私のオススメを紹介すると、Eucerinの中にあるEczema Reliefという製品です。
http://www.amazon.com/Eucerin-Body-Creme-Eczema-Relief/dp/B00DEXA0LY/ref=zg_bs_11060661_60

この商品にはCeramide(セラミド)という皮脂の大事な成分が含まれています。湿疹やアトピー性皮膚炎の患者さんではセラミドが不足していることが研究によってわかっていますので、これを補ってあげることは効果的です。
値段ですが、現時点では10ドル/226gのチューブで売られていますので、値段も手頃です。Amazon.co.jpではEucerinの他のラインは販売されているものの、このEczema Reliefはまだ新しいせいか手に入らないようです。アメリカ在住のかたはぜひ使ってみてください。
次回はローションの保湿剤について説明していきます。
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