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保湿剤の選び方(クリーム cream、処方薬編)

軟膏の保湿剤であるワセリン(Vaseline)やAquaphorは保湿力に優れ、かぶれのリスクもほとんどない非常に優れた製品ですが、ベトつきが強いので、多くの人は全身に使うのには抵抗があると思います。そのため、このクリームを体全体の保湿でメインに使うことになると思います。目の周りや傷のあるところではクリームを使うとしみてしまうので、軟膏を使うようにしましょう。

処方薬と市販品があり、市販品では本当に多くの種類があり選ぶのが大変です。皮膚科という職業柄多くの商品を試してきましたが、市販品のほうが最新の研究に基づいて作られているため、塗り心地もよく、保湿力も高いように感じます。個人個人の皮膚の状態でどの製品が合うかは異なりますので、いくつか試して自分に合うものを探してみてください。市販品でお勧めの商品は次回紹介することにして、まずは処方薬でよく使われるクリームの紹介をします。

日本の処方薬でよく使われるのはヘパリン類似物質を含むヒルドイドソフトと尿素を含むケラチナミン、ウレパール、パスタロンです。どちらも小さめのチューブに入っていて持ち運びにも便利です。お子さんから高齢者の方まで問題なく使え、皮膚科の診療でも頻繁に処方されます。どちらが優れているか、というはっきりしたデータはありませんが、個人的な経験ではケラチナミンの方が長く皮膚にとどまり、保湿力は高い印象ですのでお勧めです。私自身もケラチナミンを長く愛用していました。値段もケラチナミンのほうが安くなります。25gチューブの値段を比べると、

ヒルドイドソフト:25.3円(1gあたり)x25g=632.5円(保険が効くと190円/本)

ケラチナミン: 7.3円(1gあたり)x25g=182.5円(保険が効くと61円/本)

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となりますので、値段も約3分の1となります。

もちろんヒルドイドの方が使用感がよく気に入っているという方もいますので、湿疹で頻繁に医療機関にかかっている方であれば、両方試してみて使いやすい方を選ぶのでもよいと思います。

ヒルドイドのジェネリック(後発品)でビーソフテンという有名な商品があり、こちらは価格も安くなります。ビーソフテンクリームはヒルドイドソフトと同じ形状ですが、ビーソフテンローションは透明さらさらであり、後に説明するヒルドイドローションの乳液タイプとは異なります。

ビーソフテン油性クリーム:10.1円(1gあたり)x25g=252.5円(保険が効くと84円/本)

最近はヘパリン類似物質を含んだHPクリームという市販品もありますので、ドライスキンのみで皮膚科にかかっていない方でも購入は可能です。ただし、保険は効きませんので割高にはなります。

次回には私のお勧めのクリームも含めて市販されているクリームの説明をしていきます。


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