湿疹(アトピー性皮膚炎)の治療
- m310712
- 2015年2月5日
- 読了時間: 2分
湿疹の治療と言えばまず何を思い浮かべるでしょうか?おそらくステロイド、と答える方が多いのではないかと思います。まさにその通りで、現在でも治療の主力は塗り薬のステロイドです。今でも「ステロイド」という言葉に恐怖感の方が多く、「副作用が多いですよね?」や「短い間しか使えませんよね?」と聞かれることがよくあります。副作用はありますが、こわい副作用があるのは飲み薬のステロイドです。こちらにはたしかに長期間使用すると骨粗しょう症、高血圧、高脂血症、糖尿病のリスクが上がり、むくみや免疫力の低下を起こします。ただし、塗り薬はほとんど体には吸収されないので、そのような全身の副作用を心配する必要はありません。ステロイドの塗り薬(外用薬)の主な副作用は、長期間続けて使用した場合(2日塗って5日休む、といった断続な使用法であれば通常問題ないです)、皮膚が薄くなったり、皮膚が黒ずんだり、表面の細い血管が目立ったりすることです。ただし、2週間以下の使用であればこのような副作用が出ることは強いステロイドの塗り薬ですらないですので、通常は心配しなくて大丈夫です。ステロイド外用薬の副作用を怖がり、1日ですぐにやめてしまうような方もいますが、そうするとすぐに再発して塗り直すことになりますので、トータルで使うステロイドの量は増えてしまうのです。完全に通常な状態のつるつるな皮膚になるまでしっかりステロイドを塗り、抑えてあげることが大事です。アトピー性皮膚炎や慢性の湿疹がある方では一度治っても再発することは多いです。そのため、しっかり保湿剤で毎日予防し、それでも湿疹ができてしまったときには怖がらず早めにステロイドの塗り薬で対応することが大事です。そして、湿疹が完全に治ったら保湿剤に切り替え、再度予防し、上手にコントロールすれば湿疹のない状態を保てるようになります。
アトピー性皮膚炎の8割の方はこの方法でうまくコントロールすることが可能です。ただし、残りの2割程度の方は塗り薬だけでは抑えることができない場合があります。そのときには現在ネオーラルと呼ばれる飲み薬に効果があり、日本では保険適応があります。後程コメントを書くつもりですが、ネオーラルにもまだ問題があり、さらに新しい薬が何種類か開発中です。
次回はまず治療の初めとして、ステロイド外用薬の塗り方を細かく説明していきます。
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