湿疹(アトピー性皮膚炎)の治療 プロトピック
- m310712
- 2015年2月7日
- 読了時間: 2分
このプロトピックはステロイド外用薬よりは新しく、ここ15年ほど使われてきた薬です。原理としてはステロイド外用薬に近く、免疫を抑える成分が入った塗り薬で炎症を起こした赤み、がさがさを治療する、というものです。プロトピックにはステロイドではなく、タクロリムス(Tacrolimus)という免疫、炎症を抑える成分が含まれています。ステロイドフリーですので、皮膚が薄くなる、血管が目立つ、黒ずむ、といったステロイド外用薬を同じ部位に長期使うと起こる副作用の心配はありません。
これは大きな利点なのですが、ヒリヒリ感が塗り始めた頃に起こるのが欠点です。これは塗った部位に起きるのですが、8割の患者さんに起こります。塗り続けると1週間程度で収まり、これは体に悪さをしているわけではないので安心してください。私自身も顔に塗った時には灼けるような不快感があり、びっくりした経験があります。
強さとしてはステロイドで言うと大人用(16歳以上)の0.1%の濃度がリンデロンVのランク、小児用0.03%(2-15歳)の0.03%の濃度がロコイドのランク程度です。そのため、症状が強く範囲の広い湿疹の場合は強めのステロイドで一気に治すことをオススメしますが、再発の多い慢性の湿疹にはステロイドの副作用がないプロトピックをオススメします。
濃度が低いと刺激感の副作用も出にくいですので、大人でも軽度の湿疹の場合にはプロトピック小児用を使うことことでこの刺激感を克服することができる場合もあります。
塗り方、量ともにステロイド外用薬と同じ方法で大丈夫です。
以前にプロトピックと発ガン性の関連についての話題が出たことがありましたが、現在では問題無いとされています。そのため、この点については心配する必要はありません。
刺激感以外に副作用がほとんどなく優れた塗り薬ですので、長引くアトピー性皮膚炎には非常にオススメできるお薬です。
Comments