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湿疹(アトピー性皮膚炎)の治療 外用薬以外

  • 執筆者の写真: m310712
    m310712
  • 2015年2月8日
  • 読了時間: 2分

湿疹の治療は外用薬がメインであり、8割の患者さんは塗り薬のステロイドやプロトピックと保湿剤を組み合わせて使えばうまくコントロールできます。ただし、その他2割ほどの患者さんではそれにも関わらずすぐに再発してしまい、広がった湿疹を抑えきれないことがあります。その場合にはどうすればいいのでしょうか。日本で保険適応がある治療法は紫外線療法とネオーラルです。

①紫外線療法

こちらは311nmという特定の波長の紫外線をあてる装置(ナローバンドUVB)を使って治療する方法です。以前から乾癬というもう一つの炎症をおこす皮膚の病気に使われてきた治療法ですが、アトピー性皮膚炎にも最近は使用されています。効果はありますが、2-3回/週の頻度でクリニックに通う必要がありますので、仕事のある方には難しいです。

紫外線というと皮膚がんのリスクを心配する方も多いと思いますが、そちらは通常の治療に使う量であれば問題無いと言われています。通常のナローバンドUVBの装置では全身、もしくは広範囲(脚全体、腕全体)などに照射するので健康な皮膚も日焼けして黒っぽくなることがありますが、エキシマライトという局所にあてる装置を使えばアトピー性皮膚炎がある部位だけを治療することができます。

②ネオーラル

こちらは商品名で、サイクロスポリン(Cyclosporine)という免疫を抑える薬が成分です。塗り薬のプロトピックで紹介したタクロリムスという成分によく似ています。ステロイドに比較すると長期の副作用は少ないと言えますが、長期間使用すると高血圧や腎機能の障害が副作用として起こることがあります。そのため、アトピー性皮膚炎では連続での使用は3ヶ月のみ認められており、症状がひどいときに一時的に使う、という位置づけです。使用中は痒みも治まることが多く、一時的に状態はよくなりますが、やめると元に戻ってしまう方も多いです。そのため、しっかり塗り薬を併用することが大切です。

このように、重症のアトピー性皮膚炎には副作用が少なく、簡便で、効果が高いといういずれも満たすよい治療法はないのが現状です。そのため、このような薬を作るべく、世界中の大学で研究が続けられています。私自身、ロックフェラー大学で新しい治験を間近で見ていますので、最新の治療について次は紹介してきます。


 
 
 

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