top of page

湿疹(アトピー性皮膚炎)の治療 治験薬

治験というのは、新しく開発された薬を限られた患者さんに使って、薬の効果と安全性をテストするという過程です。患者さんは最新の治療薬を無料で使えるという利益がありますが、長期の安全性はまだ確立されていないというリスクも一方であります。

現在アトピー性皮膚炎には多数の新しい薬が開発され、治験が行われています。ロックフェラー大学で上司と一緒に論文をまとめましたので、もしアクセスが有れば下記を読んでみてください。

Noda S, Krueger JG, Guttman-Yassky E. The translational revolution and use of biologics in patients with inflammatory skin diseases. J Allergy Clin Immunol 2015

現在開発中の薬の多くは抗体医薬(Biologics)と呼ばれるもので、特定の病気に強く関係した分子のみを抗体で抑えこんでしまうというメカニズムを用いています。特定の病因のみを抑えるので、ステロイドやネオーラルといった飲み薬でみられる副作用はなく、あっても最小限におさえることができます。

いくつか開発中の中で最も効果が高いと現時点でされているのはIL-4レセプターというアレルギーに関係した分子を抑える抗体医薬で、Dupilumabと呼ばれています。喘息にも治験中であり、両者に高い効果を上げています。実際に市場に出るまでには何年かかかるでしょうが、今後重症のアトピー性皮膚炎で使われるようになることを期待しています。


Follow Me
  • Facebook Basic Black
  • Twitter Basic Black
  • Google+ Basic Black
bottom of page