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ニキビの治療(塗り薬)

ニキビの塗り薬には市販薬と処方薬がありますが、市販薬にはしっかりと効果があると世界的に認められている商品はありません。そのため、私は処方薬の使用をお勧めします。アメリカにはBenzoyl peroxideという市販の製品があり効果が認められていて、今度ついに日本でもベピオゲルという名前で保険適応が通りクリニックで処方可能になるようです。

処方薬のニキビの塗り薬は現時点では大きく分けて二つあり、

①レチノイド:ディフェリン(Adapalene)

②抗菌薬:ダラシン(Clindamycin)、アクアチム(Nadifloxacin)

になります。

レチノイドと言うのはビタミンAに似た成分であり、毛穴における異常な角化を抑え、毛穴の詰りを改善してニキビを治すとされています。効果は高く、即効性はないものの2週間ほど使うと効果を実感し始め、4-8週間使うとかなりの効果があがります。

使い方としては寝る前に一度、洗顔後に塗ります。

副作用としては使い始めたころの刺激感があります。かなり個人差があるのですが多くの人が経験し、赤み、がさがさ、ひりひり感が出現します。1-2週間で塗っているうちになくなることが多いので、症状が強くなければ継続使用して使うことをお勧めします。刺激感が強い場合は、最初は一日おきに塗る、など間隔を延ばして使うとよいです。

効果の面から考えるとこのディフェリンが一番のおススメになりますが、刺激感が強くて使えないという方もなかにはいます。その場合はダラシンもしくはアクアチムを使うとよいでしょう。こちらはクリンダマイシン、もしくはナジフロキサシンという抗菌薬が入った塗り薬で、アクネ菌を殺すことで効果を発揮します。いずれもディフェリンに見られる刺激感はなく使用しやすい塗り薬ですが、長期に使用すると耐性菌(抗菌薬が効かない菌)が出現します。そのため、アメリカでは特に抗菌薬単独での使用は勧められていません。レチノイド(ディフェリンなど)やBenzoyl peroxide(こちらはもうすぐ日本でも処方可能)との併用が勧められています。

私のお勧めとしては、ディフェリン単独から治療を開始し、治療効果が少なければダラシンを朝に塗るようにして併用するのがいいと思います。アクアチムとダラシンのどちらが効くかは個人差もありますので、こちらは個人の好みで選んでいただいて大丈夫ですが、世界的に効果がより証明されているのはダラシンの方です。

ダラシンにはゲルとローションが、アクアチムにはクリームとローションがあります。こちらも自分にあった方で大丈夫ですが、顔のニキビにはダラシンゲル、アクアチムクリームが一般的に塗りやすいです。

ここからは余談ですが、ディフェリンにはニキビだけでなく顔のしわ、光による光のダメージ(しみ)を治療する効果があります。そのため、加齢や光による顔へのダメージを改善する意味でもこの塗り薬はお勧めできます。

ベピオゲルが処方開始されればこちらもディフェリンと並んで使いやすい薬となるはずです。待ち遠しいですね。

次回は内服薬について解説してきます。


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