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ニキビの治療薬(飲み薬)

ニキビの飲み薬には主に3種類あり、

①抗菌薬(ルリッド、ビブラマイシン、ミノマイシン)

②ホルモンを調節する薬(ピル、スピロノラクトン)

③レチノイド(isotretinoin)

が知られています。アメリカではいずれもニキビに適応がありますが、日本では①の抗菌薬のみです。そのため、こちらに絞って治療について書いていきます。

内服薬の抗菌薬にはやはり塗り薬と同じく耐性菌(使用した抗菌薬が効かない菌)を作ってしまう可能性がありますので、塗り薬と併用して使うことをお勧めします。軽度のニキビであれば通常塗り薬で治療を開始し、ディフェリンと、ダラシンまたはアクアチムを併用しても効果が不十分な時に抗菌薬の内服を開始します。膿を持ったようなニキビや炎症を起こして赤くなったニキビが多数みられるときには、初めから抗菌内服を同時に開始する場合もあります。

日本でよくニキビに用いられている抗菌薬には3種類あります。いずれも塗り薬と同じく即効性はなく、長期間(最低でも2週間以上)使用することで、アクネ菌の増殖を抑え、炎症を抑えてくれます。効き目は徐々に表れるので通常のカゼの時とは異なり、内服期間は長くなりますが、副作用さえ出なければ大きな問題はありません。ただ、長期間の内服では耐性菌の問題が出ますので、ニキビがほぼ消失した時点で、内服は減量もしくは中止して塗り薬にすることが一般的です。ニキビの治療には、カゼなど細菌感染症の治療とは異なり、少なめの量で抗菌薬を用いることが一般的です。

日本でニキビに幅広く適応があるのはルリッドという薬で副作用が少なくよく用いられています。この薬はロキシスロマイシンというのが成分の名前です。1日2回、1錠ずつの内服です。広範囲のニキビに長めに(1-2か月)内服を行うと、よく効くことが多いです。

ただ、このルリッドという内服薬はアメリカではニキビには用いられておらず、ビブラマイシン(成分はドキシサイクリン、Doxycycline)が最もよく用いられています。日本にもこの飲み薬はあるのですが、一般的にニキビには適応が通っていないことが難点です。皮膚科の先生によりますが、よく処方されています。こちらも副作用は少なく(光に過敏になることがあるので強い光に当たるときには日焼け止めを塗った方がいいです)、使いやすい薬です。1日1回、50mgの内服で大丈夫です。

もう一つがビブラマイシンと同じ系統のミノマイシン(成分はミノサイクリン、Minocycline)です。こちらも1日1回、50mgの内服で大丈夫です。日本ではミノマイシンの方がビブラマイシンよりも多く処方されていますが、副作用がビブラマイシンよりも多いため、アメリカではビブラマイシンをまず処方するように勧められています。まれではありますが、長期に使用すると皮膚に色素沈着が出現することがあり、そのほかにも薬疹(薬による発疹)やめまいといった副作用が出ることがあります。これらの副作用はいずれも稀でめったに起こるものではないですが、やはり避けるにこしたことはありません。

私は塗り薬でニキビが治りきらなかった時にはルリッドを追加し、それでも効き目が不十分な時にはビブラマイシンに切り替えるようにしていました。毎日ディフェリンをしっかり塗り併用して治療していれば、大半のニキビは治すことができていました。処方薬と市販薬ではまったく治療が異なりますので、ニキビ跡を残さないためにも早めにしっかり治療していきましょう。


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