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血管腫
- m310712
- 2015年5月24日
- 読了時間: 2分
血管腫といっても?という方も多いと思います。血管が異常に増えてしまいできるできもの全般を指すのですが、皮膚科の診察をしていて一番相談が多いのはいちご状血管腫(英語ではinfantile hemangioma)です。この病気は写真のように赤く、盛り上がったできものが生まれたあとすぐに出現して1ヶ月半頃に特に急に大きくなります。生後3ヶ月頃には成長がとまり、3-4歳くらいには自然にできものが消えることが多いです。
ただ、できものが消えたあとも傷あとのようになってしまい、まわりの皮膚と違いが目立つことが多いです。2つ目の写真は大きくなってしまった血管腫が消えた跡ですが、色調やかわり、まわりの皮膚との違いが目立っています。自然にも治るのですが、この跡ができるのを最小限にするには早めに治療する必要があります。ここで注意しなくてはいけないのは、大きくなってしまったあとで治療しても効果は少なく、できるだけ早く治療する必要があるということです。皮膚科を受診するのは生後4週頃がベストで、あとで解説する飲み薬はアメリカで生後5週以降のお子さんに認められています。日本ではまだ血管腫に対しては正式には認められていませんが、一部の大学病院では飲み薬の治療薬が使われています。
日本で診療していた時にもよく親御さんから相談を受けていましたが、だいたいの場合すでに生後数ヶ月になっていて、治療のタイミングを逃していました。自然に小さくなり消えていくので、すべての血管腫に治療が必要なわけではないです。顔など特殊な場所になければ問題にもなりにくいのですが、大きい場合、顔にできている場合、などには早めの受診をして治療を検討してください。
次回、治療について説明していきます。


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