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血管腫の治療
- m310712
- 2015年5月25日
- 読了時間: 2分
治療についてですが、以前は赤い色素に反応するダイレーザーがよく使われていました。たしかに赤い色を薄くするには効果があるのですが、アメリカで現在一般的に薦められているのはHemangeol(成分名はプロプラノロール)という飲み薬です。こちらは 昨年、FDAというアメリカの薬を認可する機関から認められました。
生後5週間から5ヶ月のお子さんに対してこの治療を6ヶ月間行ったところ、60%のお子さんでほぼ完全に消えたということなので驚くほどの効果です(飲み薬を使わなかった場合は4%ほど)。
この薬はもともと不整脈や高血圧の治療薬なので、飲むことによって脈が遅くなったり血圧が下がることが心配されていたのですが、実際にはあまり起こりません。飲み始める時に皮膚科の先生とよく相談してください。
日本ではまだ一部の病院で試験的に行っているのみですが、今後広がっていくと思います。血管腫が大きい場合、顔にあり困っている場合など、大学病院などにご近所の皮膚科から紹介してもらうといいでしょう。受診は早いほどよく、1歳になっているともう適応になりません。
最近ではプロプラノロールに似た薬である目薬のチモプトール点眼液(成分はチモロール)が注目を浴びています。こちらはアメリカでもまだ認可されていませんが、効果があるとの報告が相次いでいます。この目薬を1日2-3回、一滴ずつ使います。内服のプロプラノロールよりも効きは遅いですが、副作用の心配はより少ないです。小型の血管腫には将来のいい治療法になる可能性があります。
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