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日焼け止め(サンスクリーン)

今日はハーバード皮膚科の主任教授、Thomas Kupper先生がロックフェラーまで講演に来てくれました。

専門的な話だったので詳細は書きません。免疫に大事なリンパ球という細胞には皮膚にいるタイプと血液中を循環するタイプがあり、それぞれの細胞が異常になってしまうことで、違うタイプのリンパ腫になり、治療も変わってくるという話です。非常に紳士的な方で、診療もする皮膚科医にもかかわらず科学者としてすばらしい仕事をされています。

日焼け止めについて教えてほしいというコメントがありましたので、今回は日焼け止めについて書いていきます。

まずパッケージを見てください。上がNOVという皮膚科でよく勧めている日本の日焼け止め、下が街のドラッグストアで売られているアメリカの日焼け止めです。表記がすこし異なりますが、基本は同じでまんなかの数字が目立ちます。

これがSPFという数字で、皮膚科では30以上をオススメしています。皮膚科医によっては15以上あれば問題ないという意見もあります。というのも数字が高いほど紫外線を防げるというわけではないからです。この数値は皮膚が赤くなるまでの時間を何倍まで、日焼け止めを塗ることで伸ばせるか、というものです。そのため、SPF15でも93%、SPF30でも97%のUVBという紫外線をブロックすることができるので、これ以上数字を上げてもあまり効果に差はないということです。SPFを上げるよりはむしろ日焼け止めを頻繁に塗ってあげることが大事です。汗などによりとれてしまうので、皮膚科ですすめているのは2時間おきです。2時間おきというのは難しい場合もありますが、海水浴やプール、スポーツで日に焼けやすい時には特に休憩ごとにまめにぬりましょう。

SPFはUVAとUVBという二種類の紫外線のうち、UVBをどれだけブロックできるかの指標になります。UVBは皮膚の浅いところまでしか届かず、赤くなる日焼けの原因になります。UVAは皮膚の深いところまで届き、皮膚の老化(しわやしみ)の原因になります。UVBは窓でブロックされますが、UVAはブロックされませんので、家の中や運転中に窓から入る日差しにも注意してください。

SPFはUVB、ではUVAに対する効果はどのように表記されているかというと、日本の日焼け止めではPAのあとの+(プラス)の数で区別されています。+の数はPA+〜PA++++までありますが、+が多いほどUVAを防御する効果が上がります。PA++以上のものを選びましょう。

アメリカではPAという表記はなく、UVAをブロックできる製品の場合、「Broad spectrum」という表記があります。UVAとUVBの両者をブロックできるという意味です。ほとんどすべての製品にこの表記がみられます。

また、水で落ちにくい場合、ウォータープルーフ(日本)、もしくはWater resistant(アメリカ)と表記されているので、プールや海で使う場合にはこちらを選びましょう。ウォータープルーフが強いとその分洗っても落ちませんので、普段使いには向かない時もあります。上記の点に気をつけて、自分で使いやすいものを選んでください。

長くなってしまったので、次回、具体的にどのような製品がオススメなのか、書いていきます。


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